Listen free for 30 days

Listen with offer

Preview

£0.00 for first 30 days

Pick 1 audiobook a month from our unmatched collection - including bestsellers and new releases.
Listen all you want to thousands of included audiobooks, Originals, celeb exclusives, and podcasts.
Access exclusive sales and deals.
£7.99/month after 30 days. Renews automatically. See here for eligibility.

笑う唖女

By: 夢野 久作
Narrated by: 斉藤 範子
Try for £0.00

£7.99/month after 30 days. Renews automatically. See here for eligibility.

Buy Now for £5.99

Buy Now for £5.99

Pay using card ending in
By completing your purchase, you agree to Audible's Conditions of Use and authorise Audible to charge your designated card or any other card on file. Please see our Privacy Notice, Cookies Notice and Interest-based Ads Notice.

Summary

<内容紹介>
「キキキ……ケエケエケエ……キキキキッ」

形容のできない奇妙な声が突然聞こえてきた。甘川家の座敷中が静まりかえる。
ここは、十畳と十二畳続きの広間で紋付袴の大勢の人々が酒を飲んでいた。そこには、新郎の当主であり、青年医師の甘川澄夫に新婦の初枝。
婚礼ということもあって、村役場員、駐在所員、区長、消防頭、青年会長、同幹事など多くの人が居合わせた。

今一度、奇妙な叫び声が聞こえたので玄関を訪れると妊娠した女がいた。
全体的に赤黒く焼けたきめ細かい肌。切れ目の長い目尻。赤い唇と白い歯を光らして無邪気に笑っている格好は、グロテスクこの上ない。
台所から出てきたこの家の下男が、赤飯の握り飯を一個与えて、追い払おうとするが払い落とされる。
そして、大きく膨張した自分の下腹部を指で刺しながら頭を左右に振った。再度、奇妙な声をあげる始末。

この女は裏山の跛爺・門八の娘で空き土蔵に住んでいた。しかし、去年の秋口に女が行方不明になったのをきっかけに、門八は首をくくって亡くなった。
そして、女一人で裏山から降りてきたのだ。女は澄夫の袴腰に抱きつくと離れようとしなくなった。
なんとか女を引き剥がし、モルヒネを打って納屋へと連れて行った。実は、澄夫はこの女のことを知っていたのだ。

それは、去年の八月のこと。純潔を守っていた澄夫は欲を抑えられなくなり、裏山で出会った女を犯していた。
女の腹の中にいる子はおそらく澄夫の子供。人騒動あった初夜。寝床について過去の過ちに苛まれる澄夫は、初枝が寝ていることを確認。
女が納屋の中にいるこのチャンスを逃せぬように、皆が寝静まった真夜中に納屋へと向かった。

<夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。

©2018 Pan Rolling
activate_Holiday_promo_in_buybox_DT_T2

What listeners say about 笑う唖女

Average customer ratings

Reviews - Please select the tabs below to change the source of reviews.